自動販売機の誘惑に負けない
コロナ禍の影響で、我が社も在宅勤務、時差出勤、別室勤務等が奨励され、職場単位で取り組んでいる。
この数カ月、私は別室勤務が多く、空いている会議室を転々と渡り歩くジプシー生活を過ごしている。
最近の仕事場は、出入口の扉を開けるとすぐのところに自動販売機が設置されている。
室内の窓や扉は密閉を避けるため開放しているので、誰かが自動販売機で飲料を買うたびに「ゴトッ」という音が聞こえてくる。
これまでは自動販売機のことなど気にもしなかったが、節約志向に目覚めた今は違う。
一番安いミネラルウォーターで110円、一番高いジュースだと160円の値が表示されているこのマシンを利用しようとは思わない。
でも、同僚たちは違うようだ。
5~10分間隔で「ゴトッ」という音が鳴り響く。
このところの暑さのせいなのか、それとも魅惑的な商品でもあるのか。
みな、この「無言の営業マン」をご贔屓にしているようである。
自動販売機は福利厚生の一環で設置しているようだが、値段はとても融通が利いているとは言えない。
たかが1本の購入でも、年間に換算するとそれなりのコストになる。
「俺は騙されへんし、負けへんぞ!」
目の前で冷たいジュースを飲む同僚をしりめに、今日も白湯を美味しくいただいた。