自宅の専用カフェでコーヒーを飲む至福の時間
私は長年、趣味という趣味を持たずに、生きてきた。
3年前に過労のため精神状態が不安定になり、廃人寸前にまで追い込まれたが、青春18きっぷを使った着の身着のまま旅行の効能を知り、試しに一人旅に出てみたら、すっかりはまってしまい、何とか持ち直すことができた。
同時に、20年以上真面目に働いてきたのだから、これからは自分の好きなことにもう少し時間とお金をかけようと思い、まずは毎日飲んでいるコーヒーについて勉強してみることにした。
コーヒーと言っても当時は缶コーヒーやコンビニコーヒーが中心で、知識はゼロ。
改めて勉強してみると、コーヒーには長い歴史があって、産地や焙煎、道具、温度、淹れ方、保存方法などによって味がまったく異なることを知った。
そこで、まずは自分で焙煎してみようと、生豆と専用の器具を購入。
家族の大ひんしゅくを買いながら、夜な夜なマンションの一室で焙煎し、試行錯誤を繰り返した。
なかなか満足のいく味に仕上がらなかったが、3カ月ほどして、ようやくそこそこの出来栄えにまで達することができた。
家中にコーヒーのにおいが染みつくため、今はもう焙煎はしておらず、近所の専門店で豆を購入し、自宅で毎晩淹れている。
最近はオーガニック・コロンビアを200g注文し、無くなったらまた買い足しに行く生活となっている。
値段は200gで税込み1,080円。嗜好品だが、食品扱いのため消費税は軽減税率適用となる。
私は一度に25gの豆を使い、300cc抽出することにしているため、1回あたりの単純コストは135円となる。
普通にお店で飲むと、1杯(180cc)400円~500円ぐらいするだろうから、経済的にもよい。
もちろん、プロの淹れるコーヒーとお店の空間や雰囲気にはかなわないと思うが、1年以上、毎日自分で淹れる”修行”を重ねると、素人でもそれなりの味を出せるようになる。
少なくとも、一部の大手コーヒーチェーンで提供されるものよりは断然美味しい、と自負している。
部屋も断捨離ですっきりし、Amazonで選んだカフェミュージックをかけると、まるで本物のカフェにいるようなリラックス空間を演出できる。
しかも他人に一切気遣いすることのない、自分だけの専用個室。
いまは自分の部屋で過ごす時間が一番落ち着くし、楽しい。
世の中の喧騒を遮断し、ただ美味しいコーヒーを飲み、好きな音楽を流し、本や皆さんのブログを拝読したりすることが、至福の時間となっている。